管理基準値と作業モチベーション

最近、測定とか分析とか統計とかがプロセスに関するマイブームなんですけど、
CMMIベースでプロセス改善を行っていると、CMMIってやっぱり基本的には大規模開発ベースの
プロセスだと感じてます。


CMMIのプロセス改善のベースにあるのは、幾つかのプロセス改善の急所がある(それがPA
その上でその急所を是正する為に組織全体でのプロセスを実施して、データを測定して、
データを元にして管理指標を作成して、作業を管理基準内に収めていくという考え方。


それは、それで悪い事じゃないけど、より精度の高い管理を実現する為には、
より良い統計データを算出する為の母集団の数か必要。
もちろん、数があるからプロセス改善の急所が分からないとは思わないけど、
その点はもう少しプロセス側で「ベストプラクティス」が欲しい所です。


戦略と戦術みたいなもので、CMMIは「プロセス戦略モデル(一部戦術)」なんですよね。
だからこそ、より戦術的なプロセスであるアジャイルモデルからもいい所を持ってきて、
私も社内でプロセス改善をやっているのですけど。


あと最近感じるのは、データを測定/収集/分析/是正という一連のプロセスを実行している
時に管理上限値/管理下限値をどこまで実管理者/実作業者に公開するべきかは迷います。
なぜなら、それらのデータを公開する事は、「それらのデータに収まればよい」という思想を容易に育みそうだから。


仕事をしていて、リスクも踏まえて作業結果がおおよそ見積もれた時、
見えない部下に対して敢えて「少し高めの目標を伝える」事は仕事をしている人は、あるかと思います。
そうする事で、今の能力より仕事の中で能力がより成長するという事がある。
それがデータが見えてしまう事で「目標まで頑張る」になると嫌だなあ、と。


もちろん、管理を細かくしていけばいいとか、そんなに酷使しなくても、というのはあると思いますけど、
最低限を管理して、最低限を引き上げる、という風に感じた所がありました。
ま、もう少しやれば、その感覚ももう少し薄れるでしょうけどね。(何となく予感)