ゆとりの法則


で、トム・デマルコさんの有料セミナーに参加してみたのですけれども。
ソフトウェア開発の効率化の専門家(と本人は言っていた)で有名な人ですね。


デッドライン、ゆとりのの法則、ピープルウェア、熊とワルツを・・・etcと出版物多いです。
「なんだかんだ言って、今のソフトウェア開発の現場ってこうだよね?」とソフトウェア開発の現状に切り込み、
「で、皆は目先や、良くある理論に惑わされているけど、こう考えている事ある?」と独特の視点を提示し、
「ソフトウェア開発はもっと人間的に豊かに行なえるものだと思う」を身上とする人ですね。


セミナーの内容は、次の日記に詳しく書いてあったので、割愛。
(しっかりと書いてある日記で素晴らしいと思います。私は無精者なので・・・)


はぶにっき
http://d.hatena.ne.jp/habuakihiro/


私の雑感を書くと、まずプレゼンが非常に上手いわけですよ。
視覚的に訴えかけ、ウィットに富んだ資料から軽妙で紳士的な会話をしていますね。
思うに、プレゼンが上手い人って、データや理論を説明する資料を作成した後に、
「これをどのように料理したら、聴衆が、面白く、印象深く感じ、惹きつけられるだろう」
という事に関して非常に時間と労力を割いているのでしょうね。非常に勉強になります。


実際の話の内容は、彼の著作である「ゆとりの法則」を含め、彼の著作で話している事から
現状のソフトウェア開発に対する提言の再構築という感じでした。
変化に対する機動力を高める為には、ゆとりを持つ事が必要。
現在のソフトウェア開発は、過剰に効率化を推し進める為に、機動力を失っている。
また、目先の効率化が全体の非効率化に繋がっている。
何をすればいいのかではなく、何をしなくてよいのか?を考えるのが大人のソフトウェア開発。


トム・デマルコさんは強力なアジャイル派の人、と
前日にトム・デマルコさんの別のセミナーに参加していた同僚から聞いていたのですけど、
アジャイルを推してはいましたが、プロセスvsアジャイルという話では無かったですね。


最後に質問の時間があったので、少し質問しました。
「何をしないか、という事に関して日本のマネージメント層も考えている所はあると思うが、
 何をしないべきか?に対する具体的なお考えは何でしょう?」
トム・デマルコさんの著作を読み、講演を聞いていて発想に関しては非常に面白いと思うのですけど、
極端な例ばかりで具体的に現実に落とし込む時の難しさ、というのを感じていたので。
#あ、今読んでいる熊とワルツは、今までの著作よりかなり現実的な落とし込みまで踏み込んでいる気が・・・


質問した後に、通訳の人が間に合わないぐらい話し始めたので、「あ、ツボ突いちゃったかな(^^;」とちょっと思いましたが、
「実際には、考えていると言っても、ソフトウェア開発に本当は必要の無い物を作っている組織は非常に多い」
というお答えでした。確かにね。ISOやCMM等のプロセスに踊らされてドキュメントばかりを意味を理解せずに
作り続けるという組織もあるでしょうけど、CMMアジャイルも勉強して、
「一番の効率化の為の融合のバランスで難しいのはどこ?」という視点で考えているソフトウェア開発者にも
ちょっと話が欲しかったなぁ。コンサル料払わないと駄目ですかね。(^^;